経済協力開発機構(OECD)の調査によると日本の学校の先生は先進国の中で勤務時間が長いということが明らかになったという。
日本の先生、働き過ぎ? 事務作業長く OECD調査
日本の先生は先進国の中で勤務時間が長いことが、経済協力開発機構(OECD)が13日に発表した調査結果から明らかになった。ただ、長いのは授業ではなく、事務作業の時間。負担が重い一方で給与は減る傾向にあり、教員の質を確保する手立てが課題になっている。
調査によると、日本の小学校の先生の勤務時間は、2009年の時点で年間1899時間。データのある調査対象国21カ国の中で米国に次いで2番目に多かった。ただし授業に費やす時間は707時間で、OECD加盟国の平均を72時間下回っており、授業以外の事務作業などの時間が勤務時間数を押し上げていることがうかがえる。
一方で給与をみると、05年の水準を100とした場合、平均は7ポイント上昇していたのに対し、日本は5ポイント下がっている。OECDの調査担当者は「日本は仕事の負担は重いが、報酬は恵まれていない。優秀な人材が集まり教員の質を上げるような対策が必要」と話す。
http://www.asahi.com/national/update/0913/TKY201109130560.html
私はこの1899時間という学校の先生の勤務時間が長いのか短いのかは分からない。
しかし、塾の先生はもっと労働条件が過酷だろうとは思う。
年間の勤務時間は学校の先生の何百時間オーバーといったところだろうか。(もしかしたら1000時間オーバーという人もいるかもしれない)
過酷な労働環境で「生徒のために一所懸命」と言ったって、それには限界があるが、経営者の多くは現場の先生方の労働環境を改善せずに、現場を締め上げ、「生徒のために一所懸命」を要求する。
生徒が集まらなくなった塾は先生をリストラし、一人当たりの授業コマ数を増やすことで対応し、利益を確保せざるを得なくなる。
ただでさえ忙しいところに、会議や報告書の作成、生徒募集のアイテム作りなど、仕事が山のようにある。
(生徒が集まらなくなった塾はほぼ例外なく会議や報告書提出が増える。経営側は生徒が減ったのは先生のいいかげんな仕事が原因だと思っていて、先生達の仕事を監視したくなるのだろう。)
塾の先生を訪問したときに、先生がくたびれ果てているのを目にしたという方は多いだろう。
「ああ、先生方は子供達のために一所懸命やってくださってるのだわ」と好意的に受け止めてくださることが多いが、実は、連続会議と報告書作成、ポスター作りでヘロヘロになっていたということも少なくないのである。
塾の先生が授業時間以外で生徒のために使っている時間は思ったほど多くない。
大手塾では、よくて3割くらいで、下手をすると1割程度というところもあるのではないか。(組織が大きくなるとよけいな仕事が増えるのは宿命みたいなものだ。)
多くの塾の先生がその忙しさゆえ、パフォーマンスをかなり落とさざるを得ない状況で仕事をしている。
それでは生徒達のためによいことはできない。
Nikon D700 SIGMA 50mm/f1.4 EX DG HSM
SORAはスタッフの先生達が生徒のために存分に時間を使うことができる塾だ。
そういう体制でなければ、自分で塾を作る意味はないとさえ思っていたくらい、このことにはこだわっている。
ウチの先生達は、勤務時間中は、生徒用のプリントを作成していたり、授業の準備をしていたり、生徒について情報交換をしていたり、勉強していたり、本を読んでいたりする。(和気あいあいと雑談をしていることももちろんある。)
やりたいことがなかなかできず、忸怩たる思いをしている先生方には夢のような仕事環境だと思う。
私達の方向性は「コストの無駄を徹底的に省いてお安い授業料を実現しました」ではない。
「時間の無駄を徹底的に省いて生徒のために使える時間を多くすることを実現しました」である。
生徒達のためによいことができるというのは言うまでもなく大切なことであるが、そこで働く人達にとってよい環境を作るということも同じくらい大切なことだ。
生徒によいことをするために先生を不幸にしているようでは、その「よいこと」は長続きしないにきまっているのである。
GR Digital 3