『リアル』

世間にはセミナーや異業種交流会に積極的に参加して、多方面に「ご縁」を拡げるのに一所懸命な人がたくさんいる。

学ぶということはとても大切だし、確かに「人と会う」ことは本を100冊読むより、学びがあったりするのも事実。

しかし、そうした人の中には、新しいご縁を求めていく割には、今、一緒に働いている部下や上司、同僚との縁、もう既にそこにある縁を大切にしていないという人が少なくない。

自分の周りにいる人をないがしろにして、名のある人や、力のある人と縁を結びたがるのはとてもさもしい行為だと思う。

「さもしい」とはとても厳しい言い方だが、そういう人はまず「自分」ありきで、自分のネットワークを広げたり、自分の成長のことしか考えていない。

ゆえに「さもしい」と言っているのである。

イケてる未来の自分のことばかり考えていて、「今、ここ」をないがしろにしていると、腰が浮いてしまい、見てなければならないことが見えなくなる。

目標を高く持つことは大切だが、踏み出す一歩は小さく確実にすることが大切だ。

それはつまり「今、ここ」を大切にすることだと思う。



「リアル」(井上雄彦著)という漫画がある。(素晴らしい漫画だ)

作中、登場人物の一人、野宮朋美が引越し屋の吞み会でこの台詞を言う。


偉いね 目指すもんがあって…

俺は何を目指すのかすらまだ見つかってねーや

でもだからこそ 今を生きることにした

お前が今踏みにじっている今を



今、世間では、夢を追いかける人は素晴らしいということになっている。

夢を持ち、それを追いかけることは確かに素晴らしい。

しかし、夢を夢見て、今自分がいる場所を軽蔑したり、今ここにいる自分を認められないという人も山のようにいる。

でもそれはおかしい。

今、ここにいる自分、現実の自分を認め、大切にすることが人生の基本だと思う。(自分のいる場所、それは自分自身の一部である)

(私達は子供達に、夢を見ることの素晴らしさと同時に、今自分がいる「現実の世界」を大切にすることを教えなければならない。)

自分自身の「リアル」をないがしろにしている人が「自己啓発」や「ご縁結び」に精を出しても「リアル」にはけっしてなれない。

そんな人には上の野宮の台詞を言ってやりたいが、そういう人は大抵、自分は「リアル」を大切にしていると思っていたりするので本当にタチが悪い。





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