バクマン。

『デスノート』の原作者と漫画家が再びタッグを組んで、新しい漫画を描くのだとは聞いていた。

しかしながら、主人公が漫画家を目指すという、『デスノート』とはあまりにかけ離れた、あまりにも地味過ぎる設定のせいで、ずっと手に取る気にはならなかった。(相変わらず食わず嫌い)

しかし、先日、ふと喫茶店においてあったのが目に入ったので、つい手に取ってみると、これが面白かった。

めちゃくちゃ面白かった。

一気に今単行本が出ている8巻すべてを大人買いして読み漁ってしまった。(いつものパターン)

この漫画は、主人公が魔法を使うわけでもなく、妖怪が出てくるわけでもない。

漫画家を目指す普通の少年が主人公の漫画である。

超能力だとか、魔法だとか、非現実的な設定の漫画ばかりを読まされる今の子供達を憂いていたので、こういう漫画が人気があると聞くと、とても嬉しい。(そういう漫画しか売れないとこの漫画の中にも書かれている)

この漫画の登場人物は皆成長していく。

それをスポーツものではなく、漫画家を目指す主人公の設定でそれが描けているのが素晴らしい。

主人公も、その相棒も、ライバル達も、若手編集者も、皆、悩みながらでも、歩みを止めることなく、やがて成長していく。

そこがきちんと緻密に描かれている。

「アイデアが出てこない」

「締切に間に合わない」

「パートナーに不信感を抱く」

「人気アンケートで上位が取れない」

「漫画が打ち切りになる」

「担当編集者と意見が合わない」

そういう現実の世界でも起こるリアルな悩みを、登場人物達は粘り強く現実的な方法で乗り越えていく。

こんな地味な世界をぐいぐいと読ませる原作者の力量は大したものだ。

週刊連載で、このクオリティを維持するのは凄い。

そして作画の力量も凄い。

実は単行本には、サービスとして、原作者がラフに書いた「ネーム」を完成原稿に仕上げる工程が載っている。

その構図の取り方や仕上げ方を見ると、プロの凄味を見せつけられる。

漫画の作り方が学べてしまう。(漫画書かないけれど)

また、登場人物が魅力的なのもいい。

主人公が普通の少年なので、脇役のライバル達が超個性的にしてある。

この手法は『ドカベン』で見られる。

『ドカベン』は主人公の山田太郎が地味過ぎるので、脇に岩鬼や殿馬、里中など個性的なメンツを散りばめたのだという。(里中は女性ファン獲得対策)

私が特に好きなのは主人公のライバル「新妻エイジ」だ。

おそらく原作者の大場つぐみも作画の小畑健も「新妻エイジ」が大好きなのだろう。

もうキャラクターが勝手に動いてしまっている。

見ていてとても楽しい。

ついでにいうと、主人公が彼女と純愛をつらぬいているのも高ポイントである(笑)

この漫画、少年ジャンプで連載が続いているのだから、子供達の間での人気も高いのだろうけれど、大人が読んでも面白い。

というか、大人が読んだ方が面白いのではないか。

私は単行本の発売が待ちきれなくて、コンビニでジャンプを立ち読みしたくなるくらいである。

お勧めです。

ご一読を。





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