2008.04.30 Wednesday
コマなし
ここ何日か息子の自転車の練習に付き合っている。何でも早く「コマなし」に乗りたいらしい。自転車を乗り回して一緒に遊ぶ友達も近所にいないし、そんなに自転車に乗った合計時間はそう長くないので、「コマなし」は少し早いかなと思ったが、息子が切望するので、私のバイク用の工具を引っ張り出し、コマを外してやった。
息子の父親は子供に勉強を教えるのを生業としている。どうやればもうすぐ6歳の息子に手っ取り早く「自転車の乗り方」を教えられるか。目の前の課題に、父親はあれこれと考え出した。それはプロとしてのプライドでもあり、父親の出番であるという思いでもある。
勉強でもスポーツでも、あるいはダンスなどでも、子供に何かを身につけさせるときにはステップを「細分化」するのがセオリーだ。やってみせ、いきなりやってみろではハードルが高くなってしまう。ハードルの手前に補助の階段を置くことによって習得は楽になる。何をどう細分化するかが指導者(プロ)の腕の見せどころである。
自転車の練習をさせると分かるが、自転車に乗れない子は「乗れない」だけでなく、取り回しが随分と怪しい。自転車を押しているときに自転車と一緒に転ぶことも少なくない。
そこで、私がステップの第一段に据えたのは「コマのない自転車の取り回し」である。
案の定、息子は最初、コマを外せば自転車は支えないと倒れてしまうということが分からない。正確に言えば、頭では分かっているが、感覚としてつかめていないので、自転車の取り回しのところから難儀をしていた。「うわあ」とか「しまった」とか言いながら自転車と一緒に格闘している。仮面ライダーかなんかの影響だろうか、「しまった」というシリアスなセリフが何とも可笑しい。
コマつきの自転車とコマなしの自転車では取り回しの仕方やハンドルさばきが異なる。何せコマなしの自転車は自立ができない。この当たり前のことをしっかり教えなければならない。(教えるのではなく、体感として叩き込まねばならない)それをまずは取り回しをさせることによってまずは身につけさせることにした。「細分化」の第一段階である。
私は早朝(私の早朝は朝8時半ごろだ)で誰もいない7号公園に行き、地面に大きな8の字を書いた。この線に沿って自転車を押して歩くように言った。子供の集中力の持続時間を考慮しながら、これを何度も繰り返させた。
「8の字」が終わると、次のステップは「足けり」である。「8の字」を完璧にしてから、次のステップでは子供は飽きてしまうので、できていてもいなくても飽きる手前で次のステップに移る。技術の習得は「うす塗りの重ね塗り」がよい。完璧主義では(子供は)辛い。
「足けり」とはペダルを踏まずに足で地面を蹴って自転車を走らせる練習である。「足けり」は私が勝手に今名づけた。足で地面を蹴るとペダルが邪魔になるので、一瞬ペダルを外そうかとも考えたのであるが、面倒くさいのでやめた。我が子のことになると少しいいかげんになる(笑)
足で地面を蹴るたびに息子の体が左右にぶれるため、自転車がふらつく。小学生くらいなら、体を揺らさないようにしなさい、とか、体を真ん中においておきなさい、なんて指示が出せるが、5歳児には難しい。四苦八苦して、結局、「足だけ動かせ」という指示と、動きをやってみせることによって何とか形になった。(5歳児の指導は私の専門外だ)
(長くなったので分けて書きます。)
息子の父親は子供に勉強を教えるのを生業としている。どうやればもうすぐ6歳の息子に手っ取り早く「自転車の乗り方」を教えられるか。目の前の課題に、父親はあれこれと考え出した。それはプロとしてのプライドでもあり、父親の出番であるという思いでもある。
勉強でもスポーツでも、あるいはダンスなどでも、子供に何かを身につけさせるときにはステップを「細分化」するのがセオリーだ。やってみせ、いきなりやってみろではハードルが高くなってしまう。ハードルの手前に補助の階段を置くことによって習得は楽になる。何をどう細分化するかが指導者(プロ)の腕の見せどころである。
自転車の練習をさせると分かるが、自転車に乗れない子は「乗れない」だけでなく、取り回しが随分と怪しい。自転車を押しているときに自転車と一緒に転ぶことも少なくない。
そこで、私がステップの第一段に据えたのは「コマのない自転車の取り回し」である。
案の定、息子は最初、コマを外せば自転車は支えないと倒れてしまうということが分からない。正確に言えば、頭では分かっているが、感覚としてつかめていないので、自転車の取り回しのところから難儀をしていた。「うわあ」とか「しまった」とか言いながら自転車と一緒に格闘している。仮面ライダーかなんかの影響だろうか、「しまった」というシリアスなセリフが何とも可笑しい。
コマつきの自転車とコマなしの自転車では取り回しの仕方やハンドルさばきが異なる。何せコマなしの自転車は自立ができない。この当たり前のことをしっかり教えなければならない。(教えるのではなく、体感として叩き込まねばならない)それをまずは取り回しをさせることによってまずは身につけさせることにした。「細分化」の第一段階である。
私は早朝(私の早朝は朝8時半ごろだ)で誰もいない7号公園に行き、地面に大きな8の字を書いた。この線に沿って自転車を押して歩くように言った。子供の集中力の持続時間を考慮しながら、これを何度も繰り返させた。
「8の字」が終わると、次のステップは「足けり」である。「8の字」を完璧にしてから、次のステップでは子供は飽きてしまうので、できていてもいなくても飽きる手前で次のステップに移る。技術の習得は「うす塗りの重ね塗り」がよい。完璧主義では(子供は)辛い。
「足けり」とはペダルを踏まずに足で地面を蹴って自転車を走らせる練習である。「足けり」は私が勝手に今名づけた。足で地面を蹴るとペダルが邪魔になるので、一瞬ペダルを外そうかとも考えたのであるが、面倒くさいのでやめた。我が子のことになると少しいいかげんになる(笑)
足で地面を蹴るたびに息子の体が左右にぶれるため、自転車がふらつく。小学生くらいなら、体を揺らさないようにしなさい、とか、体を真ん中においておきなさい、なんて指示が出せるが、5歳児には難しい。四苦八苦して、結局、「足だけ動かせ」という指示と、動きをやってみせることによって何とか形になった。(5歳児の指導は私の専門外だ)
(長くなったので分けて書きます。)