「言われたことをやる」

絶対に出世できない人がいる。それは「言われたことができない人」と「言われたことしかやらない人」だと、そう言ったのは、確かナポレオン・ヒルだった(ような気がする)。

それは仕事の分野だけの話ではない。勉強ができるようになるためにもまずは「言われたことができる」ようになっておく必要がある。

最近は個別指導の塾がよく流行っていると聞く。私は集団授業の塾をやっているが、それは、私が生徒達の学力を伸ばす手法として選んだのが集団授業の形態の塾ということに過ぎない。だから私は個別指導の塾を否定しないし、世に必要なものだと思っている。

しかしながら、学校で生徒達は、一斉指導、つまり集団授業の形態で学習をしている。であるから、彼らの学力を伸ばすためには、集団の中で指導者(先生)の指示をきちんと受け取る能力を身につけておく必要がある。どんなに頭がよくても「指示を受け取る力」、「言われたことを言われたとおりにやる」力が弱ければ、学力を伸ばすのは難しい。

仮にその分を対症療法的に個別指導の塾で指導を受け、補ったとしても、集団の中で「指示を受け取る力」「言われたとおりにやる力」を身がついていないままだと、いつまでも「補い」を止めることができない。

最近、近隣ではSORAというのは大層厳しい塾だという噂があるらしく、実態とのズレに、当の塾生達がびっくりしているくらいだそうだが、確かにSORAでは厳しい部分があって、一番厳しくチェックし、指導していることの一つが、「指示をきちんと聞くこと」と「言われたとおりにやること」であるように思う。

実は、SORAでは、宿題ができませんでした、ということに対しては、そんなに叱られることはない。(ここが一番厳しいポイントである塾は多いのではないか。)よっぽどいつもやらないなら別だが、SORAでは、ほとんどそういうことでは叱られない。少し注意を受けるだけだ。

しかし、出された指示と違う方法で問題を解いていたり、指示を受けているのに、ぼうっとして動かないでいると、それは見逃されることなく、注意を受けることになる。それとて、きつく叱られるというわけでもなく、見逃さずきちんと注意されるということである。(こういうことを軽く考えて見逃している先生は多い。見逃さないことを「厳しい」と言ってるのである。)

この春から新しく授業が始まった小5と中1N組の生徒達は、最初ここのところで結構叱られた。指示のとおりに動けないのである。聞いていなかったり、早合点していたりすることが多いのである。中1はずいぶんよくなったが、小5はまだだ。ちょっとここ最近叱られることが多いかもしれない。しかし「たいせつなこと」ができないままで、勉強時間を増やしても学力は伸びにくい。

「ちゃんと聞こう」なんて意識しているうちはまだ駄目で、「無意識」のうちにきちんと指示がきちんと受け取れるところまでいかないといけない。ここまでできて「身につけた」と言うのである。

「無意識」の習慣にまで高めるのは、とても根気のいる作業だが、これは「見逃していいこと」と「見逃してはいけないこと」のうちの「見逃してはいけないこと」のトップ項目なので頑張ってやり続けなければならない。

さて出世できないもう一つの要因である、「言われたことしかしない」、これも深い話である。こちらについてもいずれ書きたい。

塾の前で撮った今日の空

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GR Digital

一昨日の雨以降、空の色が変わった。少し緑がかっていたのが、すっきりとした青になった。

『当然意識』

「この塾で勉強して、俺が教えているのだからこの子は絶対に、絶対に、絶対に学力が伸びるはず。伸びないなんて絶対にありえない。」

そんな風に思って、その子と接し続けるというのはとても大切なことだ。もちろんその子に色んなアプローチをするのは前提であるが、「この子を伸ばすことを諦めない」という意識よりも「この子が伸びるのは当然」という意識の方が、その子を伸ばす可能性はぐんと高くなると思う。根拠などない主張であるが、絶対に間違っていないと思う。

きっと、その意識、『当然意識』の強い先生ほど、「凄い先生」なのだ。



『個人塾は裸の個人が試されている』

私の思いと重なる部分がありすぎて気絶しそうになりました。私の心に内在する形無き「共感」を一瞬にして引き出された感じです。

これ

これ

これ

『個人塾は裸の個人が試されている』これは名言です。

猫ギター先生はやっぱり凄いです。

素直に喜びたい

自分がやっていることを、ことさらに「あんなことやってる」「こんなことやっている」と書き綴るのには、若干の抵抗がありながらも、結局それでも書くのであるが、4月からずっと生徒達のためにもっといいことやれないかと、そのことばかり考えていた。(もちろん今も考えている。)進化しようという気持ちが止まったら私達は死ぬのだ。それくらいのつもりで「進化」することばかりを考えてきた。

生徒達の意欲が上がるように、慎重に色々な仕掛けをする。具体的な方法は今は書かない。しかし、それは大量の課題を与えて無理やりやらせるなんていう方法の何歩も先を行く実践であると自分では思っている。(量をこなすことは大切だが、それだけでは芸がない。)成果も早や出ていて、「ウチの子が勉強をすごく前向きにやっていて・・・」という親御さんの話などは何度と無く聞いた。

先に試験が終わった学校の生徒達は、もう結果も出ていて、過去最高の点数を取った生徒がけっこういる上、全体の平均点も、学校平均からのアドバンテージで見ると、間違いなく今までで一番よい結果と言っていい。

この手ごたえはかなり嬉しい。狙ってやったことのツボがここまではまったことは今までの経験からしてもそうはない。派手に顔には出さないが、それでもちょっぴり得意げな表情が今塾にはたくさんあって、まだ試験が終わっていない子達に刺激を与えている。

新年度、各先生達の意気込みも大きかった。絶対に全員を伸ばすのだという気概に満ちていた。Daisuke先生やSayo先生を始め、スタッフ全員が一丸となって頑張ってくれている。その波動みたいなものはきっと生徒達も感じ取ってくれているのだ。

もちろん、今回伸ばせなかった子、結果を出せなかった子にも、次こそ結果を出せるように、あらゆることをやっていきたい。やる気の息吹を吹き込み、その子の「成長」につながり、なおかつ『結果』につながる、その子に合った「何か」を見つけられるようにしていきたい。ただ、それでも多くの子は「時間の問題」だ。あと少しなのである。

春からやってきたことが間違っていなかったと今回は証明できたような気がしていて、そのことに関しては素直に喜びたい。