2011.04.27 Wednesday
指示を正確に受け取る
毎年同じようなことを書いているが、大切なことだと思うので書くことにする。
新しく塾へ通い出した子(小学生)の多くは「指示」を正確に受け取るのが不得手だ。
指示を聞き逃して、周りをキョロキョロして、何をすればよいのかを探していたり、指示を正確に受け取れず、全然ちがうことをやっていたり、それはもうガチャガチャしている。
そのような細部で指示を聞き漏らしているくらいであるから、授業においても、先生の話や説明などをきっちりと受け取っているということはおそらくない。
「指示」を受け取る力が弱いということは「聞く力」「受け取る力」が弱いということである。
日本の教育はほとんど「集団授業」の形式で行われるので、「指示が聞けない」ままだと、どんなに優秀であったとしても、だんだん勉強がわからなくなっていく。(「指示が聞けない」というのは頭の良し悪しとは関係ない)
指示を正確に受け取るには、「あ、先生が何か指示を出す」と気づき、構えの姿勢が取れなければならない。
そのセンサーが磨かれていないと、指示の前半を聞き逃す。
指示に留まらず、話というのは耳で聞くものではない。
脳で聞くものである。
脳の、指示や話を聞くための「スイッチ」がONになっていないと聞けない。
小学校では、聞いてない子のために、何度も先生に同じ指示を繰り返してもらっているのかもしれない。(それは丁寧な指導かもしれないが、丁寧であれば「よい指導」であるかというとそんなことはない)
そうすると、生徒達は何度も言ってもらえるのだから、ぼうっとしていたって大丈夫と考えるようになり、先生からのサインを見逃す傾向が強くなってしまう。
指示を聞ける子に育てるためには、コツがあって、原則は「指示は一回しか言わない」ことである。
私はこれより効果的な指導はないと思っている。
その代わり、その一回の指示は分かりにくいものであってはならない。
短い言葉ですっきりと言わなければならない。(そうでないと、問題は先生の指示の出し方の方になってしまう)
ちなみに、指示を聞き逃した子には「もう一度お願いします」と言ってもらうことにしている。
よく、「え?」と言うのが口癖になっている子がいるが、「え?」なんて言うだけでもう一回言ってもらうというような楽をさせてしまうと何時まで経っても指示が聞けるようにならない。
だから「もう一度お願いします」と言わせるのである。
もちろん、すぐにどうなるものではない。
こうやって指示が聞けるようになるには時間がかかる。
根気よく続けてやらなければならない。
「考える力を伸ばす」とか「応用力をつける」なんていうのはずっと後の話で、まずはこういうことをきちんとさせることが勉強をできるようにするということであると思う。
ちなみに私の息子も典型的な「指示を正確に受け取れない子」である。
どうも彼は親や先生の話から勝手にストーリーを作って、独創的な受け取り方をしてしまう。(それはとてもユニークではあるが、少々問題だ。)
「一度指示」を徹底して時間をかけてやるしかない(笑)