この間の杉山先生の結婚披露宴の写真。
スピーチをしながら、歌の準備をしているところ。
よく見ると、シールドをギターに差し込もうとしているところだ。
森川先生撮影。
持っているのはOvationというメーカーのギター。
80年代、アーティスト達はこぞってOvationのギターをライブで使用していた。
それは、このギターが写真のように、シールドを差して、アンプにつないで音を出せるギターで、大会場でもハウりにくいという特性があったからだと思う。
(あと、弾いたときの音のレスポンスがよいので、速弾きをするミュージシャンは好んで使った。)
当時のギター少年は皆Ovationに憧れたものだ。
ハウリングを起こさないようにするには、響かないギターでなければならない。
だから正直このギター、ポロンと弾いた「生音」はよくないのであるが、この日アンプにつないだら、思った以上にいい音で、弾いている本人が驚いた。
歌も演奏もヘタだったが、いい音は出せたと思う。
私は結婚式などで歌を歌うときには、大層なことであるけれど、機材をフルセットで持っていくことにしている。
アンプまで自前で持っていってしまう。
会場によっては音響がよくないこともある。
それは当日行くまでわからないし、スタッフの方にセッティングを任せると、思わぬ音になることがあるので、全部こちらでやりたいのだ。
凄い荷物になるので、毎回毎回、大変で、挫けそうになる(笑)
それでも、きれいに響く「よい音」はそれだけでエネルギーのあるものだと思っているのでやめられない。(お祝いに贈る「音」であるし。)
ヘタだからこそ、よい音を鳴らしたいと思うのである。
授業においても、「音」というものは、大切な要素だ。
授業の上手い先生は声がいい。
みかみ先生の声なんか、相当魅力的だ。
映像などで、みかみ先生の声を聞いたことがあるという方もおられるだろうが、生の先生の声はあれの10倍以上いい。
声のハギレもいいので、どんなに早口で話されてもきちんと聞こえるところも凄い。
この杉山先生の披露宴で、新婦側の主賓のご住職様が、スピーチのときに、「このマイクは少し音が割れますな、後ろの方、私の声が届くようでしたら、マイクなしでお話しさせていただきたい」と仰った。
音にこだわる私でさえ、気になるほどでもなかったのだが、御年87歳のご住職はマイクを通した音を嫌って、肉声でスピーチをされたのである。
お坊さんはお経を読むし、説教もされるので、声の力、音の力の大切さをご存知なのだ。
私のこだわりは間違いではなかったと、ご住職に強い力をいただいたような気持ちになった。