受験直前の「傾向対策」というのにシャカリキになる塾も少なくないが、こういうのも程度の問題で、あまり「傾向、傾向」と言い過ぎる指導というのは正直よくないと私は思っている。
SORAでは「傾向対策」をやらないではないが、私立高校の場合、世間で言うほど、傾向対策が重要だとは私個人は思っていない。(対策をやりまくらないといけないほどの変な問題を出す高校はない。)
生徒や親を塾に頼らせておくためとか、対策講座をやって別料金を取れるからやっているというところも多いのではないかと思う。
何より、あまりに指導者が「傾向対策」に熱心になるのは弊害も多いのだ。
傾向対策の指導を受けた生徒達は「ああいう問題が出るはず」を予測をし、それを待つ。
これが過度になると、そこに「居着いて」しまい、囚われてしまう。
もし、自分が予測し、頭に描いた問題と実際の問題の「印象」がズレると、脳が混乱して焦ることになる。
実際には傾向が変わっていないのにもかかわらず、こういうことが起こってしまう。
(指導者側にしたら、こんなの全然傾向変わってないだろうという問題でも、生徒達が「傾向が変わった」とやたら騒いでいたというのを目にしたことがある先生もおられることでしょう。)
「傾向が変わった」→「勉強してきたことが無駄」→「解けない」→「落ちてしまう」というところへ考えが行き着き、焦ってしまう子なんて中学生くらいではいくらでもいる。
「傾向対策」はある程度やったら、生徒達に任せて、授業中の指導では、傾向と違う様々な問題も解かせ、「君達には色んな問題をやらせているから、傾向が変わっていたとしたら、君達に有利だね」と暗示をかけておくくらいがいい。
「傾向対策」というのは塾に通っている子だけのメリットとばかりに腕を見せたいところではあると思うが、先生が力まないのと、生徒を力ませないようできるだけ配慮するのがコツである。
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