2012.02.28 Tuesday
生還5
今日は特色選抜の発表の日であったが、私は朝から病院で検査。
県立医大病院はとてもシステマチックな体制ができていて、あちらこちらに行かされるものの、スムーズにレントゲンと心電図と採血と検尿をすませることができた。
薬と節制のおかげで、ここ数年のうちで一番体調がいい。
(しかし、もしかしたら風邪をひいたかもしれない。風邪などをひくのが一番よくないだろうに。)
退院して初めて中3生の前に立ったとき、「生きて帰ってきましたー!!」と大きな声を出し、入院中のことなどを明るく面白く語った。
生徒達に安心させるためにわざとそうした。
生徒達も最初は固かったが、大笑いしながら話を聞いていた。
ただ、私は話の中で何度も「死ぬ」という言葉を使った。
生徒達を安心させるというならば、そんな言葉は控えるようにするべきかもしれない。
それでも私はあえてしっかりとその言葉を何度も口にした。
それは、「死」はどこか遠くにあるものではなく、時にに自分のすぐ隣に存在するのだということを彼らに伝えたかったからだ。
そしてもうひとつ。
私は彼らの親御さんとそう年齢が違わない。
親のことをよく見、気遣ってあげてほしいということも伝えたかった。
特に「脳」と「心臓」はいきなり命を持っていってしまう。
吐き気と頭痛がいっぺんに来ているときは脳が深刻な状態になっていることがほとんどだから、絶対にすぐに救急車を呼んで動かさないこと。
言葉が出にくいとか、体の半分がしびれるなんていうときも同様。
(私は母親と電話で会話をしていて、あれ?ちょっとおかしいぞと思い、無理矢理病院へ連れて行ったら、小さな脳梗塞ができていたということがあった。発見が早かったので大事に至らずにすんだ。)
親は子供の体の不調には敏感だけれど、自分の体は意外に心配しないものなので、君達が気遣うこと。
そんな話をした。
受験直前であるが、とても大切なことであるし、何といっても身近にいる人(私)の生々しいエピソードがある。
伝えるべきタイミングであったろうと思う。
「命を守り、大切にすること」を子供にしっかり伝える使命がすべての大人にはある。
病院を出たとき、一校目の発表の結果を電話で聞いた。
気温は低いがよい天気で、春の気配も少し感じるような日差しだった。
生徒達皆に早く春が来ますよう。