今のところ、正式に採用したのが3名で、仮採用が1名。
通年の時間割はきちんと回っているにもかかわらず、新しい先生を多く採用するのには理由がある。
SORAでは学生の先生に正式に授業を持たせるのに、今のところ1年という時間をかけているからだ。
一年の間、授業もしない先生に給料を払い続けるのである。
他の塾の先生にこれを話すと一様に「信じられない」と言われる。
でも、進学塾SORAではその「信じられないこと」を実際にやっている。
くわえて言うと、SORAの学生スタッフはべらぼうに給料が高い。
他塾に比べると、25パーセントから50パーセントは高いだろうと思う。
よい人材を得るのにお金をケチることはできない。
人材投資にこそ、お金をかけなければならないと思っている。
GR DIGITAL4 (さくらんぼの実をつける桜はこの種類。)
SORAのスタッフはベテランと若い学生スタッフで構成されている。
ベテランスタッフだけで授業を回せないこともないが、私はあえて学生スタッフも(割合としては高くないが)授業に入れるようにしている。
何故か。
その方が生徒達の学力が伸びるからである。
一般的に保護者の方はいわゆる「専任講師」の方が授業も分かりやすく、学力を伸ばせると思ってらっしゃるが、実はそんなことはない。
学習塾の専任講師の中には長いものには巻かれろ、面倒なことは大嫌い、と適当に仕事をしているような人も少なくない。
実際、大手塾では学生バイトに陰で呆れられ、馬鹿にされている専任講師など山ほどいる。
向上心や情熱も無く、そうだとばれないように上手にカムフラージュし、やる気があるように見せている大人がどんなに多いことか。
そんな人は一般の会社にも山ほどいるだろうが、一般の会社にいるのだから、当然、塾にもそんな人は山ほどいるということである。
そのような府抜けた「専任講師」に比べれば、一流の大学に通う、知的な学生は生きの良さが全然違う。
若いというだけで子供を引っ張るアドバンテージがある上に、向上心と純粋な気持ちにあふれている。
くわえて、自分が受験をしたときの記憶や経験がまだまだフレッシュに残っており、さらには私のチェックが入り、日々指導を受けているのである。
念のために言っておくと、SORAの専任講師に先に述べたようないいかげんな先生はいない。
SORAの専任講師にとって、私は雇用主という感覚ではなく、「師匠」であり、彼らは「弟子」のつもりで私のところにいる。
自分の力量を上げるために私の元にいる。
(こんなことを真顔で言う私はよっぽどろくでもない経営者かもしれないが、それくらいの「狂気」無しに本気の塾は作れないと思っている。)
組織論になるが、「全員がベテラン」のチームはなかなか上手くいかない。
ベテランがおり、中堅がおり、若いスタッフがいるチームの方が上手くいく。
年俸の高いスター選手ばかり揃えた巨人がそうそう優勝できるわけではなかったのを考えると分かっていただけると思う。
「ベテランの専任講師ばかりで教えています」と言うと、外には聞こえがよいが、何と言われてもよい。
私は実の方を取っている。
多く集めた人材はただ遊ばせているわけではもちろんなく、彼らにはやってもらわなければならない仕事がたくさんある。
私達だけでなく、彼らにも、質問に来た子に対応したり、学習の遅れている子の補習を担当させる。
人数がいるので、補習にしても「個別指導」のような形で行うことができる。
特に今年の中3生のNクラスは例年に比べ、学力が高くない。
次の桜が咲く頃、何の悔いも残すことがないようにするためにも、総動員でこれに対応したい。
「面倒見よく教えます」「分かりやすく教えます」などとチラシに書くのは簡単だが、実際、このように人材をしっかり確保し、コストをかけ、維持している塾はほんの少数だ。
えらそうなことを言っていても、日々の時間割を回すのにアップアップしている塾だって少なくないことを私は知っている。
「先生のやる気」だけでは生徒のことを伸ばすのは難しい。
コストのことを度外視して、こういう地味なところにも力を入れているからこそ、進学塾SORAはどこの塾もできないようなことができ、多くの生徒の学力を伸ばせているのだと思っている。