2012.12.24 Monday
冬期講習会スタート
本日より冬期講習会スタート。
今年一番の寒さにもかかわらず、元気に生徒達が来てくれて、朝から明るい気分になれた。近隣に無料講習会を行なったり、チラシを頻繁に入れる塾がある中、ありがたいことに今年もたくさんの子が参加してくれた。
Nikon D700 Ai AF Nikkor 35mm f/2D 小4国語の授業
講習生や新入塾生のクラスで授業を行うとき、私は生徒達の「指示の受け取る力」があるかどうかをまずチェックする。勉強ができるようになるためには何より「指示を正確に受け取る力」が不可欠だからだ。(このことは何度も書いている)
「指示を正確に受け取る力」を見るためには、まず指導者側が「正確な指示」を出さなければならない。「不正確な指示」では誰も正確には受け取れないからだ。「指示」は一つずつ出すのが原則で、一度に二つ、三つと指示を出すのはNGだ。
「はい、テキストを出して、32ページを開けなさい」という指示は、すでに二つの指示を出していることになる。教室でこういう指示の出し方をすると、生徒は混乱してしまう。「分かりにくい授業」というのはこういうことが積み重なっている授業である。複数の指示を出ようとも受け取ることができるよう生徒を鍛えなければならないのは言うまでもないが、授業の基本は「指示はひとつずつ」である。(大人だって複数の指示を出されるととても混乱する)
今日も授業の中で注意深く、いくつも「指示」を出したが、やはり正確に受け取ることができる生徒は少ない。でも、これは生徒の問題というより、指導する先生の問題が大きいと言える。きっと学校では先生が何度も同じ指示を出してしまっているのだと思う。一度で聞かない子がいるので、先生が同じ指示を何度も出してしまい、その結果、皆が先生の言うことをボヤッと聞くクセがついているのだ。
これを直すには「先生の指示の通りにできていません」という台詞をきちんと言うしかない。厳しい台詞のように聞こえるが、この台詞の言い方のコツはきっぱりと言うこと。怒ったような口調で言わず、その代わりにきっぱりと言う。そういう言い方をすると少しずつ直っていく。(今まで有耶無耶にされていたのだ)
また、一回指示を出したことを「これどうするんですか?」とか「3番の問題もやるんですか?」と聞いてくる子もいる。こういうときも、きっぱりと「さっき指示しました」と言うのがいい。そう言われて、頭の中で先生の指示を繰ってみて「あ」と思い出してできる子が半分。できない子が半分である。(もちろんできない子には再び指示しなければならない)こういうふうにしていると、ボサッと聞く子がどんどん減っていく。授業の集中力が高まり、こちらも授業がしやすいし、生徒達も理解する力が高まり、良いことづくめだ。
ちなみにSORAには、毎年数組、塾の先生が全国から見学に来られるが、どの先生もSORAの生徒が指示を正確に聞き、動くのが早いことに大層驚かれる。それは私達がこういう地味な指導をやり続けているからである。
こういう地味な「鍛え」は、地味ではあるが、大切な「ステップ」である。「わかりやすい授業」「面倒見がよい授業」の10倍くらい大切な視点だと思っている。なぜなら、「指示を正確に受け取る子」に育てていくことは「授業が分かる子」に育てていく「一歩」だからである。