2014.03.21 Friday
公立高校入試合格発表
18日、奈良県公立高校の合格発表があり、平成26年度入試がすべて終了した。
全高校の発表が終わった後、できるだけ早く結果はHP上に載せることにしているので、今年もそれはすでにリリースしてある。
今年の入試に関して、問題の傾向や難易度がかなり変化したということは公立入試の日のブログで書いたが、私はこの変化は大変よいことだと思っている。中学生はもっと色んな問題を解き、考え、苦心して、高校生になるべきだと思うからだ。(中学生と高校生のカリキュラムのつながりの悪さと、学習の内容の差は今の日本の教育の問題点の一つだ。)誤解を恐れずに言えば、これまでの入試問題だと、定期試験の点数をしっかり取り、入試のための勉強はそこそこやれば、ちょっとばかり筋のいい生徒なら畝傍高校に入れてしまったのである。
公立入試がそういう状況だと、内申点を確保するために、塾は学校の定期試験の点数を取らせることに血道を上げる。「内申点確保メイン、入試に向けた実力養成は添え物」塾が増える。その方が塾も楽だし、生徒達も楽。誰しも楽な方に流れるので、そういう塾の方が流行りやすい。だからSORA程度の塾で「厳しい」なんて言われたりもするのだ。「楽」だということは「鍛え」が足りないことを意味する。高校入試のこと「だけ」を考えた指導と、「その先」を考えた指導は全く違う。多くの私立高校で「○○塾から来た子は伸びにくい。●●塾から来た子はよく伸びる」と密かに述べられていることは以前にも書いたとおりである。
公立入試の問題がヌルくても、かつて、私立入試の問題はなかなか厳しかった。私立は3年後にいい大学に入ってくれそうな子が欲しいから自然とそういう問題になる。昭和の終わりや平成一桁の頃の入試問題なんて見たら、今とはくらべものにならないくらい難しかった。公立高校の入試が易しくても、併願で受ける私立の入試が難しかったため、奈良県の中学生は畝傍高校に入るために、勉強を頑張らなければならなかった。そこでうまくバランスが取れていたと言える。しかし、時代の流れの中、子供達が軟弱化したのか、鍛えられる機会を持てなかったのか、難しい問題を課す高校を敬遠するようになった。そうすると背に腹は代えられない。私立高校の入試もほとんどが易しくなってしまった。ますます「実力養成は添え物」塾がやりやすくなっていったのである。
これもまた、一つ前のブログで書いたが、ある私立高校が入試問題の傾向を変え、難易度を上げたら、塾からクレームが入ったというエピソードは、まさに「実力養成は添え物」塾の仕事がやりにくくなるという事実を端的に表していると思う。(仕事がやりにくくなるのだから文句も言いたくなるだろう。)
中学受験で私立の中高一貫校へ行った子に負けない学力の土台を生徒達に築いてやりたいという思いがあって、私は塾を作った。高校入試は「通過点」にすぎないと思い、日々指導をしている。もちろんSORAに通う子の学力は幅広いので、全員に同じだけのことを要求しているわけではないが、しかし、どの子にもそのスタンスでいることは忘れない。
だから、今年のような公立高校の入試の中ではSORAの生徒は強い。試験当日、生徒から入試問題を見せてもらったとき、私は心の中でガッツポーズをした。この問題では「ちょこざいな傾向対策」等は役に立たないからである。質の高い指導を受けてきた生徒や、実力のある生徒の順位が相対的に上がるのだ。
先に高校入試は「通過点」と書いたが、これは高校入試を軽視しているということではない。高校入試は大切な大切な「通過点」である。出来得るならば、「努力とは甲斐あるものだ」という「体験」と共に通過させてやりたいと思い、この「通過点」まで私達は彼らと共に走っている。しかし、今年の入試では、一人だけその体験をさせてあげることができなかった。
全高校の発表が終わり、森川先生と顔を合わせることができたのが午後6時半過ぎ。「一年間お疲れさん」と握手を求めると、彼の口からついて出てきたのはこの子のことだった。彼もずっとそのことが頭から離れなかったのだろう。しかし、いくら悔やんでもこの結果はひっくり返ることはない。私達がこの事実を昇華していく方法は「もっと腕を磨け」と自分自身に言い聞かせ、日々精進していくことしかないのだ。
ぬるま湯につかることなく、感覚を研ぎ澄まし、精進をして、生徒達をさらに鍛えていきたい。ちょっとばかり流行らぬ塾になろうとも、そのために塾を作ったのだから変節はしてはならない。この奈良県公立高校入試の新傾向の問題はそんな私達の思いからすると、ずっと願っていたことである。どんな問題がこようと勝負に勝ってくる強い子に鍛えていきたい。
全高校の発表が終わった後、できるだけ早く結果はHP上に載せることにしているので、今年もそれはすでにリリースしてある。
今年の入試に関して、問題の傾向や難易度がかなり変化したということは公立入試の日のブログで書いたが、私はこの変化は大変よいことだと思っている。中学生はもっと色んな問題を解き、考え、苦心して、高校生になるべきだと思うからだ。(中学生と高校生のカリキュラムのつながりの悪さと、学習の内容の差は今の日本の教育の問題点の一つだ。)誤解を恐れずに言えば、これまでの入試問題だと、定期試験の点数をしっかり取り、入試のための勉強はそこそこやれば、ちょっとばかり筋のいい生徒なら畝傍高校に入れてしまったのである。
公立入試がそういう状況だと、内申点を確保するために、塾は学校の定期試験の点数を取らせることに血道を上げる。「内申点確保メイン、入試に向けた実力養成は添え物」塾が増える。その方が塾も楽だし、生徒達も楽。誰しも楽な方に流れるので、そういう塾の方が流行りやすい。だからSORA程度の塾で「厳しい」なんて言われたりもするのだ。「楽」だということは「鍛え」が足りないことを意味する。高校入試のこと「だけ」を考えた指導と、「その先」を考えた指導は全く違う。多くの私立高校で「○○塾から来た子は伸びにくい。●●塾から来た子はよく伸びる」と密かに述べられていることは以前にも書いたとおりである。
公立入試の問題がヌルくても、かつて、私立入試の問題はなかなか厳しかった。私立は3年後にいい大学に入ってくれそうな子が欲しいから自然とそういう問題になる。昭和の終わりや平成一桁の頃の入試問題なんて見たら、今とはくらべものにならないくらい難しかった。公立高校の入試が易しくても、併願で受ける私立の入試が難しかったため、奈良県の中学生は畝傍高校に入るために、勉強を頑張らなければならなかった。そこでうまくバランスが取れていたと言える。しかし、時代の流れの中、子供達が軟弱化したのか、鍛えられる機会を持てなかったのか、難しい問題を課す高校を敬遠するようになった。そうすると背に腹は代えられない。私立高校の入試もほとんどが易しくなってしまった。ますます「実力養成は添え物」塾がやりやすくなっていったのである。
これもまた、一つ前のブログで書いたが、ある私立高校が入試問題の傾向を変え、難易度を上げたら、塾からクレームが入ったというエピソードは、まさに「実力養成は添え物」塾の仕事がやりにくくなるという事実を端的に表していると思う。(仕事がやりにくくなるのだから文句も言いたくなるだろう。)
中学受験で私立の中高一貫校へ行った子に負けない学力の土台を生徒達に築いてやりたいという思いがあって、私は塾を作った。高校入試は「通過点」にすぎないと思い、日々指導をしている。もちろんSORAに通う子の学力は幅広いので、全員に同じだけのことを要求しているわけではないが、しかし、どの子にもそのスタンスでいることは忘れない。
だから、今年のような公立高校の入試の中ではSORAの生徒は強い。試験当日、生徒から入試問題を見せてもらったとき、私は心の中でガッツポーズをした。この問題では「ちょこざいな傾向対策」等は役に立たないからである。質の高い指導を受けてきた生徒や、実力のある生徒の順位が相対的に上がるのだ。
実際、SORAの生徒達は本当に強かった。奈良、畝傍、郡山では全員が合格してきたし(これらの学校は人気があるため、どうしてもギリギリの成績でも受けたいという生徒が毎年けっこういる)、それ以外の学校でも危ないところからの合格がたくさんあった。私達指導陣は、うれしかったというよりも、ひたすらホッとして力が抜けるのが精一杯、そんな合格がいくつもあった。
SORAは難関私立や、奈良、畝傍、郡山に合格していく子が多いため、最初から勉強ができる子が行く塾だと、世間では考えられている節もあるが、けっしてそんなことはない。たしかに、勉強ができる子も通っていないではないが、毎年、入塾してくる子の学力はそう高くない。毎年、多くの(失礼な言い方であるけれど)「どんくさい」子が勉強への意識を高め、勉強時間を確保するようになり、そして学力を伸ばしている。要は「鍛えられて」合格しているのである。
SORAは難関私立や、奈良、畝傍、郡山に合格していく子が多いため、最初から勉強ができる子が行く塾だと、世間では考えられている節もあるが、けっしてそんなことはない。たしかに、勉強ができる子も通っていないではないが、毎年、入塾してくる子の学力はそう高くない。毎年、多くの(失礼な言い方であるけれど)「どんくさい」子が勉強への意識を高め、勉強時間を確保するようになり、そして学力を伸ばしている。要は「鍛えられて」合格しているのである。
先に高校入試は「通過点」と書いたが、これは高校入試を軽視しているということではない。高校入試は大切な大切な「通過点」である。出来得るならば、「努力とは甲斐あるものだ」という「体験」と共に通過させてやりたいと思い、この「通過点」まで私達は彼らと共に走っている。しかし、今年の入試では、一人だけその体験をさせてあげることができなかった。
全高校の発表が終わり、森川先生と顔を合わせることができたのが午後6時半過ぎ。「一年間お疲れさん」と握手を求めると、彼の口からついて出てきたのはこの子のことだった。彼もずっとそのことが頭から離れなかったのだろう。しかし、いくら悔やんでもこの結果はひっくり返ることはない。私達がこの事実を昇華していく方法は「もっと腕を磨け」と自分自身に言い聞かせ、日々精進していくことしかないのだ。
ぬるま湯につかることなく、感覚を研ぎ澄まし、精進をして、生徒達をさらに鍛えていきたい。ちょっとばかり流行らぬ塾になろうとも、そのために塾を作ったのだから変節はしてはならない。この奈良県公立高校入試の新傾向の問題はそんな私達の思いからすると、ずっと願っていたことである。どんな問題がこようと勝負に勝ってくる強い子に鍛えていきたい。