今日生徒に言ったこと(6)



「それで?」



小5の生徒が「先生、教科書を忘れました。」と職員室まで言いにきた。で、冒頭の私のセリフである。

「先生、宿題を忘れました。」というのは「報告」である。「教科書を忘れずに持ってくる」というのは約束事なので、「すみませんでした」という「謝罪」の言葉は必要だろう。多くの場合、「報告」と「謝罪」がごっちゃになっている。「報告」と「謝罪」、それぞれをきちんと言わせるべきだ。

教科書を忘れたという報告を終えた後で「すみません」と謝罪し、先生がそれを受け入れた後で、さらには「隣の人に見せてもらいます」とか「どうしたらいいですか」などと「対処」について言及できるようになるよう指導していきたい。もちろん途方もない時間がかかるが大切なことで、子どもを立派に育てていくことの「第一歩」なのだ。

忙しいとやってしまいがちだが、先生が「教科書を忘れました」と言われて、「はい、じゃあコピーしてもっていってあげるね。気をつけるんだよ。」なんてすぐに言ってはいけないのである。


追記:
このシリーズ、家内に評判がすこぶるよくない(笑)あんまり面白くないのだそうだ。それでも男は黙って続けるのである(笑)



今日生徒に言ったこと(5)

「なんで君達そんなに俺にナツくの??」



以前にも書いたが、どうしたわけだか小5の生徒が私にやたらとなつく。今日も下敷きを持ってきてサインをしろと言う。職員室に押しかけてくるのである。わけが分からない。しょうがないのでノートには私のサインを、下敷きにはそれぞれの名前を筆記体で書いてあげた。







今日生徒に言ったこと(4)

「話を聞くときは俺の顔をちゃんと見ろって言ったろ!」



中2の歴史の授業。一人の生徒だけがずっと生気のない顔をしている。手に鉛筆も持たず、その手は机の上になく、ぼうっとしたまま授業に参加している。で、冒頭の言葉となった。

こういうことを言うと、生徒によっては「話は聞いていました」なんていう返事が返ってくることもあるだろうが、我が塾ではそれは聞かない。先生の話を聞くときは先生の顔を見ろと普段から言っているからである。

もちろん生徒はメモしながら聞いたり、聞きながら何かテキストなどを確認しているというときもある。こちらもそういう場合は見ればわかる。そういう状態などではなかったから言うのである。

授業の内容がよければ生徒は自然と話を聞くものだ、という意見もあるが、私はそう思っていない。「姿勢」と「心」が出来上がっていなければ、よい話であろうと、ためになる話であろうと聞くようにはならない。

「目を見る」というのはいかにも形式的であるが、それは「姿勢」と「心」を作っていく「型」の役割である。そして「型」の習得には理屈は不要である。


今日生徒に言ったこと(3)



「綴りなんてでたらめでいいからとにかく書きなさい。書かないより百倍勉強になりますから。」





答えが合っていると確信できない限り答えを書かない(書けない)子がいる。下手をすると、記号選択の問題でも白紙にしてしまう。女の子に圧倒的に多い。たった一つの単語の綴りが書けないからといって筆を止めてしまうようなことではいけない。一種の美学なのかもしれないが、入試では不利である。早い時期からタフに解答を作れるように指導をしていかなければならない。

こういう子に、「間違えててもいいから書きなさい」と言っても鉛筆はピクリとも動かない。怒鳴って叱ると書くようになったりするのだけれど、それではいかにも芸がない。そこで冒頭の言葉である。不思議なことに「間違ってもいいから〜」というより「でたらめでいいから〜」と言った方がずっと生徒は動くのである。「でたらめでいい」とピシャリと言うと気持ちが軽くなるのかもしれない。

「綴りは後で覚えればいいんです。今は作文の練習をしてるんですから」なんていう言葉を添えると固まっていた鉛筆がもっと走るようになる。日々の授業の中で見つけた「子どもを動かす言葉」は指導者の宝物だ。








今日生徒に言ったこと(2)



「答え合わせの丸つけの丸はていねいに書きなさい。丸がきれいに閉じるようにね。絶対だよ。」




ノートが雑で汚い子がいる。ノートが雑でも伸びる子はいるが、どちらかというと「天才肌」の子に多い。きれいにノートを取れるようにしてやる方が伸びるのも早くなる。だからノートをきれいに書けるようにしたくて教師はあれこれ指導をしてしまう。が、大抵はうまくいかない。いっぺんにあれもこれも言ってしまうからである。

あれもこれも言ってできるならば、その子は最初からもうちょっときれいにノートを取っている。まずは「一点突破」、一つのことをまずきちんとできるようにしてやることから始めたい。一つのことがきちんとできるようになるとあれもこれもできるようになっていく。子どもは「最初の一歩」ができれば山の8合目まで進んだくらいの変貌を遂げていく。




今日生徒に言ったこと(1)




「あっ、駄目駄目。すぐに消しゴム持っちゃあ。間違えたところをちゃんと見つけてから消しゴム持ちなさい。」



子どもは間違えるのが嫌いだ。授業中、先生に誤答を指摘されると、目にも留まらぬ速さで消しゴムを持ち、一刻も早く消去しようとする。しかし、その「反射行動」はきちんと矯正しておかなければならない。

「間違えたところが宝物です」と私が中学生の頃も、学校の先生がしたり顔で言ったものだがそれは本当だ。反射的に「間違えた答え」を消すのではなく、しっかりと間違えた箇所を見つけ、訂正させたい。